いよいよギターの練習に入ります。ギターの練習はさまざまなアプローチが考えられます。
ある人はコードをいくつか覚えましょうと言いますし、ある人はドレミを覚えましょうと言うかもしれません。
どんなものでも基本というのは面倒なもので、覚えるのも教えるのもまたそれを練習するのも邪魔くさいものです。上手な指導者ならそういった基本を基本と教えず、いきなり実践向きな音楽のフレーズから教え、後から「さっきやったのは基本的な○○なんだよ」と言うかも知れません。
いろんなアプローチがあって、いろんな覚え方がありますから初心者は余計に迷うということもあります。ただし、これはいくつも枝分かれした道ではあるのですが、どうあれこうあれ通らなければならない道でもあるのです。後になっても先になってもかまいません、基本は必ずマスターしましょう。
ギターにおける基本とは、おそらくドレミの仕組みとコードにあると思います。
ドからレに音が上がる。このことを説明するのはたやすくありません。しかしそれは理論レベルではという事で、ドの次はレ、レの下はドと誰でも知っていることですから「そんなこと説明なんかいらん」といわれるかもしれません。しかしこれは非常に重要です。後々カポタストと言う道具を使用する時にも、またキーと言うちょっと音楽通な話をするときでも必ず必要になります。
ですから、当サイトではまずドレミについてよりわかるようにいろんな所で説明をしています。このドレミはアルファベットでも表記され、ドレミファソラシドはCDEFGABCと当てられます。ギターのコードでアルファベットが出てくるのはこのCDEFGABが当てられているというわけです。だんだんドレミの重要性がわかってきたのではないでしょうか?
ギターはぶっちゃけていうと、2種類のコードを覚え、またマイナーとメジャーを覚えておけば大半の曲は弾ける(かもしれません)。
ギターにおいて一番重要なコードはEとAです。少なくとも僕はそう思っています。このEとAのバリエーションがいくつかわかれば、ギターコードは成ったも同然です。
しかし、そう易々とステップアップさせない理由として、バレーコード(セーハーコード)と言う存在が初心者の領域から出られない非常に大きな壁となっています。大半の挫折組はこのコードの存在の前に屈してしまっているようです。
何がそんなに大切なのかというと、EもAも開放弦を含むコードです。開放弦というのは何も押さえない弦を鳴らす部分があるコードでして、押さえていない部分はずっと同じ音が鳴ることになります。押さえる場所を変えても開放弦が含まれているため、その開放弦はずっとその音を鳴らし続けます。
先ほどEとAのバリエーションを覚えればコードは成ったも同然と言いました。しかし開放弦がそうはさせてはくれないのです。それではEのコードのまま開放弦を含まないコードはないか!と言うと実はありまして、EではF、AではB(もしくはB♭)がそれに当たります。
FもBもどちらも人差し指で1~6(5)弦まで押さえることになります(バレーとかセーハーとか)。これで開放弦の呪縛から解き放たれることになるのです。しかし、一本の指で全部の弦を押さえるのは大変で、また残りの指でEとAのバリエーションを作るというのはギター初心者には非常に難しいと言えます。
実際には全部の弦を押さえているわけではなく、より手前で押さえている箇所がある場合はそれより奥(ヘッド側)で押さえていても手前の音が鳴るわけですからその奥で押さえている箇所は押さえなくても良い箇所になります。
このあたりがわからずに全部を押さえなくてはいけない、音が鳴らない、握力が持たないと挫折の元になっているのです。ですから、そういったコードがなるべく出ないコード進行の曲を選ぶ必要があるのですが、そうは問屋が卸しません。たいていやりたい曲というのはこのFやBが出てくるものなのです。
しかしまったく対処法がないかというとそういうわけではありません。例えば「コード」のカテゴリから「弾けないコードは飛ばしてしまえ(もしくは代用できるコード)」とか、同「FやBが弾けない人のためにその他の方法」を参考に、なるべく簡単に押さえる方法を編み出すのも醍醐味の一つです。けれど最終的にはきっちりバレーコードを押さえられるようにならなくてはいけません。
コードを押さえて弾くとなんだか先に進みたくなってしまいますが、実はそれだけではギターが弾けるとは言えないのです。まだ鳴らしているという段階ですね。
ですから、そのコードを次のコードへと繋ぐために上手なコードチェンジをする必要があります。これは練習するしかないのですが、まずは簡単なダウンストロークでゆっくりと4ビートでコードを弾けるように練習してみてはどうでしょうか?
そして慣れてきたら次第に早く、また複雑な弾き方を練習します。