おそらくほとんどの人が「F」というコードで1度目の挫折を覚えます。そして、やってみたい曲はだいたいこの「F」がでてくるものなのです。
弾けないが弾いてみたい。弾いてみたいけど弾けない。こんな悩みを日々抱えてそのうちにギターが埃をかぶるようになるわけです。否っ!弾けないならば飛ばしちゃえばいいのです!
とりあえず、ここに来てこの文章を見ていると言うことは弾き語りがしたいのだろうと思います。つまりギターを弾きながら歌いたいという事だろうと思うわけです。
であるなら弾けない部分は歌でごまかしてしまうこともできます。もちろん情緒たっぷりに敢えて弾いてないふうに見せるテクニックも必要です。
しかし、それでは練習にならないという人もいるでしょう。ただ弾き語りと言う点だけで言えばギターは伴奏をするための道具であり、基本は歌なのです!
弾けない所、弾けないコード、忘れてしまったコード進行、そういう時は敢えて別の方法で間をもたせます。
そうしながらも時としてギターは主役になることもあります。しかし、しか~し、まだ初心者の域を出ない間でギターを主役にする事自体が至難の業とも言えるので気にしないでおいても良いのですが、そうそうコードを飛ばしていたのでは音楽にはなりません。
ではどうすれば良いでしょうか?
そういう場合、少し横着ですが逃げる方法はいくらでもあるのです。
FとFmaj7、Dm7との関係性を探る
例えば「F」のセーハー((バレー。ひとつの指で多数の弦を押さえること))ができない場合、Fmaj7にしてしまうのも方法です。この時注意すべきは1弦と6弦を鳴らさないようにすること。これだけ注意していれば押さえている個所は「F」と同じ。
しかも5弦の開放は「ラ」であるので、F(ファ・ラ・ド)の構成音だからまったくノープロブレム。
「F」がもし押さえられないのなら「Dm7」で4弦より上(5,6弦)を鳴らさなくても「F」と同じ結果を得られます。どうでしょうか?鳴らす部分が同じであれば代用できるコードも複数存在したりするわけです。代用と言うよりは、そのコードの一部と言う方が正しいかもしれません。
この図がそれまでの文を説明している図になります。数字は各指を表しています。
1 | 2 | 3 | 4 | T |
人差し指 | 中指 | 薬指 | 小指 | 親指 |
と言う具合。
まずFから説明すると、セーハーで1~6弦全部を人差し指で押さえている…かのように見えますが、実は3~5弦は人差し指で押さえなくてもよい弦です。
何故なら、より手前(サウンドホール側)で他の指がコードE((2、3、4の各指のこと))を押さえているからなのです。なので、実際には全部の弦を押さえようとしているわけですが、必ずバレーしなくてはいけないのは、1、2弦と6弦のみと言う事になるのです。
Fmaj7では一見、Fとまるで違うもののように思いがちですが、実際は「共通部分」を赤●で表記しているように、Fと共通する個所があります。
またFmaj7は、Cから人差し指をそのまま中指・薬指を一段下げるだけのコードなのでCが押さえられるならすぐに押さえられます。
前述したように5弦の開放は「ラ」なので別に鳴らしてもよいわけです((Fの構成音は、ファ|ラ|ドのため))。実際は違うかもしれませんがCで言う6弦3フレットの「ソ」と同じ扱いな感じです。と、するとFmaj7をFの代理として使う場合にやっかいなのは1弦と6弦の「ミ」なのです。ここさえ鳴らさなければFと同じということになります。
6弦は親指で軽く触れることでミュートすることができます。しかし1弦だけ鳴らさないようにするのはギター初心者にはなかなか難しいと思うわけです。そこで別の考え方として「custom Dm7」を考えてみることにします。
Dm7自体は1フレットの1・2弦を小バレーで押さえ、3弦2フレットを中指で押さえます。少しコードを練習した人ならすぐに押さえることができるでしょう。
さて、ではこのDm7からはどう考えていけばよいのかですが、その答えは★で印をつけた部分[FIX]がすでに答えを出しています。つまり中指・小指で3フレット4、5弦の図の部分を追加して押さえれば6弦以外はFと同になります。
ついでに6弦1フレットも親指で押さえればそのまんまFとなるわけです。親指が辛い場合は軽く弦に触れてミュートしてもいいと思います。
しかしFと言うぐらいなのでファが肝になります。ミュートで音を消してもよいわけですが、6弦1フレットはなるべく押さえられるように練習してみて下さい。
また小指が辛いと言うのであれば、5弦3フレットをやめて4弦3フレットを薬指で押さえればよいのです。
ここでまたFmaj7に話は戻ります。先ほど書いたように、初心者には1弦だけ弾かないようにするのは難しいと説明しました。ならもういっそFmaj7のままでDm7みたいに1フレットをバレーしてしまうかもしくは、同じ方法(バレー)で軽く1弦に触れてミュートしてしまえば良いのです。
また戻ってこのcustom Dm7は実はFのもうひとつのメジャーな押さえ方((大バレーを使用しない方法))なのです。当サイトではよりわかりやすくするためにcustom Dm7などと名前をつけてはいますが、実はこれ、そのまんまFと言うわけなのです。
考え方としてDm7から派生させると言うことが重要で、そういううんちくをのぞけばバレーができない間はこの方法でFを押さえていたとしても誰からも非難されないと思います。
むしろアコギはエレキよりも多少握力も必要ですし、バレーばかりしているとそう言う部分で疲れます。そう言う時はこの俗に言うcustom Dm7はそれらを軽減させる有効な方法になりうるわけです。握手をするような形なので、シェイクハンド型などと呼ばれます。