前置きで少しまとめると、基本的にはEndeavourOSで何も問題はありません。しかし更にもうあと少し踏み入れるとすればこのArcoLinuxを推したいと思うわけです。
これまでに書いた記事で個人的にランキングの星を与えるとすれば、
- Manjaro ★★
- CachyOS ★
- EndeavourOS ★★★
- ArcoLinux ★★★★
という感じでしょうか。
2024現在の所感では、EndeavourOSとArcoLinuxの評価は逆転しています。
CachyOSはややピーキーな感じもして動作に難があったりしたので、安定しているManjaroほどではないものの新しく、インストールや設定はManjaroと同等かより簡単になっているため。
EndeavourOSは全く問題がなくこれで普通は十分なはずですが、公式サイトがややわかりにくい気もします。結局ArchWikiを見ることになるので平均以上ながらこれぐらい。
で、ArcoLinuxは公式サイトがごちゃっとしてわかりにくいものの、(英語ですが)様々な事例や設定方法が記載してあり、またArch系のGnomeとしては他に変更する必要や理由がないので最高ランクにしました。完全に完成されたGnomeは今後出現するであろうということで最高ランクを★5ではなく★4にしています。
ArcoLinuxを入れるに至った理由
2022年末にジャンクノートPC(i3 8世代)を購入しまして、そちらに新たにArcoLinuxを入れてみました。これまでに試したGnomeの中ではEndeavourOSが自分的に高評価だったのでEndeavourOSにしようかと思ったわけですが、まだ試してないのがあるなとArcoLinuxをターゲットにしました。
Linux界隈ではDistroWatchと言うサイトで様々なディストリビューション((Linux本体とデスクトップ環境やソフトウェアなどをひとまとめにしたもの。配布物というような意味))のレビューを見たりします。
そこでLinuxの情報サイトの多くが(PCで見た時に)すぐに目につく右端のページヒットランキングをたいていの指標にしていたりしますが、実はページヒットランキングなので必ずしもこのランクの上位だから良いというわけではありません。
多くの人が見ているページだからこそある程度の評価は間違いないかと思いますが、実際は、ランキングリストの各リンク先にある、ページの下部のアベレージレートが肝です。
例えばEndeavourOSはページヒットランキングは2位ですが、アベレージレイティングは8.6です。Manjaroはページヒットランキングは4位でアベレージレイティングは8.3になっています。
これだけを見ると、トップページのページヒットランキングはおおよそ正しいと見えますが、ArcoLinuxはページヒットランキングは20位ながら、アベレージレイティングは9.0です。
ページヒットランキング | Average rating | |
---|---|---|
EndeavourOS | 2 | 8.6 |
Manjaro | 4 | 8.3 |
Pop_OS! | 5 | 8.2 |
ArcoLinux | 20 | 9.0 |
ページヒットランキング | Average rating | |
---|---|---|
EndeavourOS | 3 | 8.5 |
Manjaro | 5 | 8.1 |
Pop_OS! | 9 | 8.0 |
ArcoLinux | 27 | 8.4 |
Arch系ではないPop_OSも念のため入れてあります。しかし、こういう感じです。ページヒットランキングが全てではないのがご理解いただけるかと思います。
アベレージレイティングはレビューした人がつけたポイントの平均なわけです。多くの人がレビューして高得点を付けるものの方が良いですよね。なので前々から気にはなっていたのです。
ただし、このポイントはGnomeに限った話ではありません。中にはXfceを使った上でレビューを書いている人もいるでしょう。なので実際に使ってみて記事を書こうと思ったわけです。(公開するのを忘れていましたが笑)
あわせて、以下の記事本編はそれまでLinux用に使っていた初代i3のノートPCにインストールした時の記事で、その時の下書きがあったので新PCにインストールするのに当たって実際に試して再編集と情報を追加しました。
以下別PC等とあるものがi3 8世代のものです。
使い勝手としては特別重い処理をするわけではないので画面の大きさ、USB3.1 gen1(いわゆるUSB3.0)と2.0の違いぐらいでどちらでも同じ感じです。インストールが速くなるとか特別そこまでの違いは感じられませんでした。
2024年のページヒットランキングとアベレージレーティングの表を追加しました。それぞれに順位を落としレーティングも下がりましたが、それは数字だけの話で、ここで見てほしいのはページヒットランキングだけで世界的に評価が高いと言うわけではないということです。
ページのヒットは低いながらレーティングが高いArcoLinuxが、有名なだけのManjaroなどより顧客満足度が高いと言い換えても良いかもしれません。
話題となっているのはページヒットランキングの高いものでしょうが、それは誰か声のでかいインフルエンサーが宣伝しているだけで、実はレーティングはそこまで高いわけでもないと言えるかもしれません。
こう言う事が言えるため、できるだけ実際に自分で試して確かめて例えばなぜEndeavourOSがランキングもレーティングも高いのかを体験すればその意味がわかると思います。
インストール前
- Wi-Fiのパスワード及びSSIDを調べておく
- ISOのダウンロード及びUSBメモリにISOを書き込んでおき、あわせてPCのUSBから起動方法を調べておく
- 利用するPCがBIOSなのかUEFIか、あるいはオンボードのグラボか等々も調べておく
ArcoLinuxSでadvancedインストールしました。ISOのダウンロードサイズは1.7GBだったと思います。デスクトップ環境はこれまでのディストロビューションと比較するためにGnomeで。また古いPCでも8GBもあればGnomeで十分です。
Gnomeは重いとされていて軽いデスクトップ環境を選んだりすることもありますし、その気持もわかります。しかし、不要なものを除いたり設定を正しくすればGnome自体はアイドル時でメモリ使用量1GBを切ります。
例えばFirefoxなどを動作している状態でも約2G前後なので4GBもあれば十分に動作するかと思いますが、4GBがmaxなノートPC(例えばメモリ2スロットで各スロットに2GBまでのようなノートPC)ではちょっと重いと感じるかもしれません。
Windows10などでは、おおよそ3.5GB~4GBあたりはOSが使いますからその倍の8GBはメモリが必要と言われていて、更に少し重い処理やゲームをする時には16GBが推奨されたり、中には最低でも16GBとかと言うものもあるようです。
Windows7ぐらいの頃なら4GBで動くのでWindows10でも4GBとかという人もたまにいますが、それは仮想メモリ等が動作しているから動くわけで、今やSSDが使われることが多いので以前のようにHDDの遅さに全体が引っ張られることはないかもしれないまでも同様にストレージに負担をかけることになるため、できるだけメモリは積む方が良かったりもします。
しかしLinuxではそもそもが4GBもOSで使うことはなく、前述したようにGnomeでおおよそ1GB、そこにブラウザでネットを見るぐらいなら余裕を見て+1GBぐらいなので、メモリをたくさん使うような処理をしないのであれば4GBで常用可能です。
ダウンロードした動画のhlsをmp4に結合させるとかなどをすると「〇〇の反応がありません」と表示されて強制終了か待機かを迫られるダイアログウィンドウが出てもたいていは「待機」ですぐ使えるようになります。複数同時にやるとかなどでは厳しいとは思いますが。
インストール
初期設定とインストールするパッケージ等の選択
- タイムゾーン、キーボード、言語等の選択
- インストールするパッケージの選択
advancedインストールでは途中で色々とパッケージを選んで入れることができます。全くLinuxの事をご存知でない場合は、ここに出てくるパッケージが何なのかがわからないと思います。実際、自分もわからないものも多数あったわけですが、インストールを早めるためにも次のことを書き置きます。
ArcoLinuxのインストーラーを起動する前に必ずネットワーク(特にWi-Fi)に接続しておいて下さい。オンライン環境がない場合、必要なパッケージのダウンロードが行えないためインストール後、ログイン画面すら出てこない事態になる可能性があります。
Wi-Fiの設定は、たいていの場合はwindowsで言うタスクバー、いわゆるパネルにアイコンであると思いますがない場合は追加するか別途設定画面から設定する必要があります。
Windowsで言うSTARTボタンに「ツール」があるので、その中にネットワークのなんちゃらがあるかと思います。
ArcoLinuxのデフォルトのデスクトップはXfceなのでこれらの使い方や設定方法が書いてあるサイトを別途前もって見ておくと良いかもしれません。
Wi-Fiのパスワードはインストール後も覚えているのでインストーラーを開く前に1度設定すればインストール後に再度入力は必要ないかと思います。
テーマ、アイコン、フォント等は後からArcoLinux WelcomeにもあるArchLinux Tweak tool
で入れたり削除したりできますのでインストール時に選択する必要はありません(しても構いません)。
Audio、Bluetooth、Network、Printing、Sambaも同様に後から入れられますし削除もできるのでどれを選んで良いのかわからない場合は選択しなくてもなんとかなると思います。
カーネルはLTSを入れましたがこれは任意で。カーネルのおおよその情報は以下のリンクにあります。
グラフィックドライバーはcore i3のノートPCという事でintel用のものを選びました。
ログインマネージャーはGDM((Gnome Display Managerの略))を選びましたが、どうやらこれも後でArch Linux Tweak toolで変更できそうです。しかし、何かしらするとそれが問題になることもあるんでGnome用のものにしました。
GnomeならGDMとGnome本体、Octopiがあれば後は何とでもなりますが、何が動いていてどれが問題か等を調べるためにStacer - Linux System Optimizer & Monitoring((システムモニター、あるいは動作しているアプリケーションやファイルを調べたり、使用メモリ等を調べたり、スタートアップの調査・削除、不要ファイル削除等もできるメンテナンスソフト))も入れました。
パーティションとファイルシステムの選択
パッケージを色々と選択しつつそこが終わるとパーティションの設定になります。ArcoLinuxのファイルシステムの記事にもbtrfsをオススメしてたのでbtrfsにしました。公式の BTRFSで説明があります。何かの時に巻き戻せるようにtimeshift等の設定をするべきなのでしょうが、ひとまずここは入れておくだけで。
パーティションは250GBのハードディスクを1つのOSで使うようにして、スワップ(ハイバネートなし)を設定しました。
WindowsなどであればCドライブとDドライブのようにパーティションを切ったりして使うこともあるかと思います。今回はHDDの容量も多くなく基本的にはUSBメモリにISOが焼いてあるため何かしらがあった場合はHDDごと交換してクリーンインストールするためにそうしてあります。HDDをSSDに変更したとしてもクローンしたりするより、全部1から入れる方が速いと思います。
何かしらを作ったりしたデータはある程度の必要度に応じてメインのPCに送ってあったりバックアップしておく感じです。もしメインでLinuxを使う場合はここらは任意必要な方法を模索するべきです。
IDとパスワードの設定
任意のIDとパスワードを設定します。インストールが終わった後ログインがあるので忘れないように注意してください。後はひたすらインストールが完了するまで待ちます。もしサスペンドなどがあったりしたり、バッテリー残時間が足りないという事態がないように電源管理には注意を図ってください。
インストールに関して
選択して色々を入れているはずですが、それ選んだっけ?というようなものが入っていたりして何が基本的に入っていて、何を追加すべきなのかが少しややこしいです。
別PCでは上記のArch Linux Tweak tool > Install software が機能していたりで、入れた時のISOのスクリプトやなんやら、あるいはタイミングがあるのか何かしらインストールの問題があるのかは不明です。
インストール後
インストール時に選択したパッケージのいくつかは入っていなかったり、違うものが入っていたりもあるので後から色々と削除したりする必要がありますが、そんな時に便利なのがPamacです。
Pamacはアプリケーション一覧(Superキー+A
)上では「ソフトウェアの追加と削除」という名前になっていまして、EndeavourOS、CachyOS共に基本はpamac-aurでした。これはFlatpakとSnapのサポートがないAURだけをサポートしたPamacです。
しかし、これらのOSで2022/12/10以前までは導入できなかったFlatpakとSnapをサポートしているpamac-allがArcoLinuxでは利用可能です。つまりManjaroと同様にPamacが使えるということです。
起動時に開く「ArcoLinux Welcome」で、「Install software」を押しても何も反応がないという方はpamac-allをインストールして下さい。「ソフトウェアの追加と削除」が開くようになります。
yay -S pamac-all
ブラウザにBraveを入れたので、Braveが動作している状態でhtopを起動させしばらく置いておいた状態で使用メモリは1.85GBぐらいでした。EndeavourOSと同じかやや多いぐらいです。不要なサービスなどを削除した後、ログアウトしてログイン後htopだけ動作させてしばらく置いておいたら670MBぐらいです。これはXfceと対して変わらないと思います。
Braveを入れていますが、基本的に利用するのはFirefoxが多いです。ソフトウェアをpamacを利用してアップデートしたりした後すぐは、Firefoxなどが英語に切り替わったりしますが、設定から利用する言語を日本語にすれば即座に日本語になります。後からのダウンロード等はなかったと思います。
不要なサービスなどを削除しておく
Pamac、あるいはOctopi等を使って、無駄に入ったゲームやその他諸々を削除(アンインストール)します。特に常駐して動くものが多いと古いノートPC等では致命的になりがちなのでStacerやhtopのようなもので色々調べつつ不要なものやサービスは停止します。
ソフトウェアを削除したら同時に動作しているサービス・ライブラリ等も削除されるものもあるのでなるべく必要なものだけ残して下さい。何でもかんでも削除してしまうとシステムに問題が出る可能性のものもあるので、機能が重複しているようなもの、メールのソフトとかブラウザとかテキストエディターとかそういうのを厳選していって行く感じです。
たとえば、BRAVEやChromeなどはソフトの設定 > システムで、バックグラウンドで色々行う設定があったりしますがそういうのも切ってできるだけシステムをシンプルに軽い状態で使用します。
日本語設定
表示は日本語になっていますので、fcitx5を別途インストールして/etc/environment
にいつものアレを追記するだけです。
sudo pacman -S fcitx5-im fcitx5-mozc
でインストールして、
sudo nano /etc/environment
で開きます。nanoの部分はgeditでもokです。nanoの操作としてCtrl+O
で上書き保存、Ctrl+X
で終了、Ctrl+U
で貼り付けぐらいはひとまず覚えておいて、以下を書き込みます。
GTK_IM_MODULE=fcitx
QT_IM_MODULE=fcitx
XMODIFIERS=@im=fcitx
ターミナルからインストールする感じになっていますが、pamacでもインストール自体はできます。検索欄にfcitx5-imとして絞られた候補にチェックを入れ、fcitx5-mozcを更に検索してチェックを入れ、画面右下のインストールを押すだけです。
fcitxとfcitx5があります。fcitxでは、Gnomeの検索等で日本語が使えないなどがありますので、fcitx5を入れて下さい。
これらは、EndeavourOS Gnomeで説明する手抜き設定とManjaro Gnomeとの違いでも書きましたので参考までに。
システムのフォントを変更する
で、やはりシステムのフォントがいまいちだと思われるので、何かしら任意のフォントで変えた方が良いということで、ホームディレクトリにある~/.config/fontconfig/
の中のfonts.conf
をいつものごとく編集します。
.(ドット)で始まるディレクトリは隠しディレクトリなので、Ctrl + H
あるいはファイル(旧Nautilus)のメニューから隠しファイルの表示で見えるようにして、その中にもし、fontconfigディレクトリ等がない場合は、作って下さい。
これは、CachyOSのGNOMEを入れてみたの記事の中でも説明してあります。
フォント設定 - ArchWikiとフォント設定/サンプル - ArchWikiが参考になるかと思います。
各ウィンドウの文字などは、「Tweaks」の「フォント」で指定したものが表示されると思いますが、それでは変わらない部分もあったりするので必要な場合はfontconfigを編集してみて下さい。
設定 - Setting
マウスとタッチパッド > タップでクリック ON
日付と時刻 > 自動日時設定が外れていたのでチェック
Tweaks
ウインドウとタイトルバー > 最小化・最大化のチェックが外れていたのでON
拡張機能
Gnome shell extensionsからTray Icons: Reloadedを追加で入れてシステムアイコンがトップバーに表示されるようにしました。他にも便利そうな拡張機能が入っていますが、ひとまず必要なのはTray Icons: Reloadedぐらいではなかろうかと思います。
これはトップバーの右端に、IMEやファイヤーウォール等のアイコンを表示するためのものです。
Arcolinuxのバージョン
今回はArcoLinuxSと言うバージョンでインストールして試していますが、ArcoLinuxのエディションは次のようなものがあります。
エディション | デフォルトデスクトップ | 内容 |
---|---|---|
ArcoLinuxL | Xfce4 | 全部入り |
ArcoLinuxS | Xfce4 | ソフトウェアは何もなくオンラインインストーラー(advancedインストール)でパッケージを選択したり後から入れるタイプ。Bluetooth・ネットワーク・プリンターは最初から入っているので、少しLinuxを触った事のある経験者向け。 |
ArcoLinuxD | なし | ソフトウェア、Bluetooth・ネットワーク・プリンター等も入っておらず、全てを好きに入れていくArchLinux本来の方式 |
ArcoLinuxB | 選択 | SとDの中間ぐらいで、最低限必要なものは入っていて、諸々を選択できる方式。 |
後から削除したりが結構手間ですが、ArcoLinuxLでまずは試してみるのが良いだろうと思いますし、公式でもそのように書いあります。ArcoLinuxBはadvancedインストールする限りはSと同じなんじゃなかろうかと思ったり、公式でもLかBで説明してるんで、慣れている人はBでも良いような気もします。 もう一度書きますが、今回はArcoLinuxSでadvancedインストールをしました。
全てのエディションを試してないので公式に書いてある内容から推測している部分もあります。
メンテナンスのエイリアス
ArcoLinuxでは、ターミナルのコマンドでエイリアスが設定されていて、
コマンド | 説明 | 適用するタイミング |
---|---|---|
update | ArcoLinux パッケージ、ArcoLinux 用にビルドされたサードパーティ製パッケージ、Arch Linux パッケージのアップデート | 日ごと |
upall | 全ての AUR パッケージをアップデートします - 追加でインストールしたパッケージも | 日ごと |
skel |
/etc/skel
の内容をホームディレクトリにコピー・ペーストし、.config
フォルダのバックアップを作成します
|
月ごと |
cb |
/etc/skel/.bashrc の内容を
~/.bashrc
にコピー&ペーストし、動作するようにする(ソース)
|
月ごと |
ということになっています。
例えば、updateとターミナルに入れてエンターを押すと、sudo pacman -Syyu
の働きをします。upallだと、yay -Syu --noconfirm
という感じです。普通にpacmanコマンドでやれば良いだけですがちょっとした手間を省いてくれます。
Superfast update of ArcoLinuxで解説してあります。
ブラウザをネイティブのwaylandで動作させる
こちらに書いてある内容は記事作成当時のものであり、現在はfirefoxはwaylandネイティブで動いているかと思いますが、もし動作してない場合の参考までに。
Firefoxは、about:support
で見ると、ウィンドウプロトコルの項目にxwaylandとデフォルトではなっているかと思います。これをwaylandで動作させるとかなり高速に表示されると思われるので試してみて下さい。
waylandはNvidiaのバイナリドライバーに対応していませんので、waylandに切り替える時は十分に注意して下さい。nouveauドライバはサポートしています。ノートPC等のintelCPU等では特に問題はないかと思われます。
やり方としては、/etc/environment
に以下をまず書きます。
sudo nano /etc/environment
でenvironmentを開いて、
#firefox use wayland
MOZ_ENABLE_WAYLAND=1 firefox
として保存して閉じます。
次にFirefoxを起動して、about:config
として注意して先に進み、gfx.webrender.compositor.force-enabled
をtrueに変えます。その後、ブラウザを再起動して、about:support
でウィンドウプロトコルを確認してみて下さい。xwaylandがwaylandに変わっていたら成功です。Youtube等を表示して動作を確認してみて下さい。サムネイルなどがかなり高速に表示されるようになったのではないでしょうか?
次に同様にして、Chrome(Chromium)、ここではBraveを入れたのでBraveで説明しますが、Chromeでも同じようなことです。
ブラウザのフラグメニューを表示させます。brave://flags
とアドレス欄に入れます。chrome(chromium)ならbraveの部分がchromeになるかと思います。わからない場合は設定などを開けばxxxx://settings
とブラウザのアドレス欄に表示されているかと思うのでsettingsの部分をflagsに変更するだけです(xxxxはchromeとかbraveとか)。
その中から、ozone-platform
と検索欄に入力して値をwaylandに変更します。値を変えると、「ブラウザを再起動するボタン」が表示されますが、ボタンを使わずブラウザ自体を一旦閉じて手動で起動して下さい。
Brave等は元々GTKで表示されているのかxwaylandなのかは知りませんが、だいぶ小さく表示されていたと思います((Tweaksでスケールをいじっていた場合))。wayland表示になると大きく表示されると思います。色々調べると直せそうですが、場合によってはwaylandを使わずいる方が良い可能性もあります。そもそもが表示も速いと思うので。
解像度の高いディスプレイなら何も問題はありませんが、ノートPCなどで1366x768の解像度ではかなり大きいかと思うので、ここらはズームを調整したりフォントサイズ、あるいはテーマなどを変更することでなんとか調整してみて下さい。
注)これらはもちろん表示の速度だけであって、ネットワーク速度自体が速くなるわけではありません。また比較的新し目なPCなのになんだかモッサリ感がある場合は試す価値はあるかと。古いノートPCとかではもしかすると効果は言うほど上がらないかも知れませんが試してみて問題がある場合は直すなどしてみて下さい。
たまたま見つけたソフトウェア
foot - Terminal
ターミナルでFootと言うのが入っていたので試した所、シンプルかつ高速で良い感じでした。設定は、$XDG_CONFIG_HOME/foot/foot.ini、
通常は、~/.config/foot/foot.ini
を編集します。ひとまずフォントの種類とサイズを変更するだけで問題ないかと。
Clapper - Movie player
以前にも紹介しましたが、動画の再生で古めで非力なノートPCなどでは、タイトルウィンドウなどがなく画面が広く使えてかつシンプルという意味でもClapperが良いかと思います。新しめなノートPCなどではmpvが良いのではなかろうかと思います。
Clapperはとてもシンプルなので高度な設定をしたい場合はmpvやmpv派生のプレイヤーが良いかと思いますが、openGLの問題等で上手く表示できないような場合でもおそらく正しく表示できるのではなかろうかと思います。
ClapperとMPVはご覧のようにとてもよく似た感じになっています。ただし機能的にも動作的にもMPVの方が多機能で重い上に、古いノートPCではある程度再生はできてもカクついたりチラツキが出たりする場合もありますので、Clapperを試してみてClapperでも無理な場合はVLC playerなどを試してみてください。
また複数の動画プレイヤーを入れてある状態では、動画ファイルをダブルクリック、あるいは選択している状態でEnterキーなどで開く際にデフォルトのプレイヤーで開きます。
拡張子によって使い分けなどもできたりしますが、これら設定するソフトなどもありながらWindowsほど簡単に登録や登録解除ができなかったりで案外ややこしい部分でもあるので、できたらお気に入りの動画プレーヤーをいち早く見つけて、それだけをインストールしておくのが良いのではなかろうかと思います。
通常は何ら問題なくデフォルトのプレーヤーで開くわけですが、そのデフォルトが外れた際に動画ファイルをダブルクリック等で開けなくなる事態が無きにしもあらずなので。
Sayonara player - Music player
音楽プレーヤーとかは特別必要ではありませんが、入れるとするとSayonara playerとかはどうでしょうか?GnomeだとLollipop、Gnome Musicとかがデフォルトと思いますが、あえてのSayanaraPlayerをオススメします。もしFlatpakとかビルドなどもしても良いよという方はAmberolも良いかも知れません。
Picard - mp3 tag editor
もしmp3をWindows等で作成していて、それをLinuxに移動させた時に正しくファイル名・タグ情報が表示されない場合は、Picardなどで正しくタグつけするとよいかと思います。文字化けするような理由としては文字コードの問題かと思いますので、設定からutf8を選べばたいていは問題なく表示されると思います。 古いWindowsのタグエディターではもしかするとShift-jisが使われている可能性もあります。
使い方は、フォルダを読み込んで、クラスタからのスキャンで勝手に情報を拾いに行って全体的に選んで保存をするだけなので簡単です。
ここにあげたソフトウェアは公式リポジトリにあると思うので全てpacmanあるいはpamac、octopiでインストールできます。yayなどを使う必要はありませんし、ビルドもなかったと思います。
イコライザーの設定をして音楽を聴く
環境によってだいぶ変わる部分ですが、PluseAudio Equalizerと言うのが入っていたら音楽を聴く時はぜひ設定してみて下さい。プリセットは色々と入っており、その中でもjjo-sony-MDR-V300のプリセットが思ったよりうちの環境では良い感じの音でした。 ヘッドフォンなセッティングな気もしますが、ノートPCのスピーカーでも問題ないかと思います。
音の善し悪しは好みによっても変わりますし、スピーカー等の出力する装置によってもだいぶ変わるところですがノートPCの元々のこもったような感じの音からだいぶすっきりとした音になった気がします。
これと言うものがあったり自身で設定したりしたら左上のアイコンから「keep settings」にチェックを入れておく感じです。上部のスライダーをONにするのもお忘れなく。