コードは弾き語りをする上で一番大切な要素かもしれません。しかし、コード(和音)はその仕組みが複雑であるため理屈を学ぼうとすると頭が痛くなってしまいます。コードを覚えるのは大切ではありながら、仕組みは複雑というこの矛盾にも似たものがギター初心者を困らせます。
しかし、仕組みなどは後回しで問題ありません。形で覚えて、いくつか弾けるようになってからその仕組みを考えるようにしていけば良いわけです。急がば回れ、まさにその一言に尽きます。
コードは何もギター専門のものではありません。どんな楽器でも和音が鳴らせるものであれば共通の考えです。ギター以外の楽器と一緒に演奏する時に同じコードを鳴らせば、その音色は違っても同じ音が鳴ります。そして伴奏にコードは最も大切な要素です。ただチューニングが間違っていればコードも正しくは鳴りません。正しいチューニングをまずギターに施しておいて下さい。
さて、コードはいくつか種類があります。すべてを完璧に覚えておく必要はありません。しかしいくつかよく使われるコードは覚える必要があります。
コードを押さえて弾く為に奏法(弾き方)を覚える必要もあります。奏法もついでに覚えるためにまずはC、Am、Dm、G7あたりを弾けるように学んでいきましょう。
コードが上手く押さえられない?
だいたいの場合、コードが上手く押さえられない原因は指の腹で押さえてしまっていることなんだと思います。指の腹で押さえる場合(セーハなど)もありますが、弦を一本押さえるという事に限っては、ほとんどの場合なるべく指をネックに立てると言うのが重要です。
この意味合いとしては他の弦に干渉しないようにするということです。
指先で弦を押さえることで他の弦に押さえた指が干渉しないばかりか少しの力で押さえられたりもします((柔らかい物で押さえるのと硬い物でどちらの方が強く押さえられるかを想像すればすぐに分かります。指の腹は柔らかいのです。))。指先を立てるためにも爪は短くしておくと良いと思います。
指先とは、指の硬い部分を指しています。ギターを弾いていると指先が次第に固くなってきます。それまでは指が痛いとか色々あるとは思いますが、いつの間にか徐々に固くなります。
指先で押さえると言っても本来はその周辺と言うか指先の固い部分で押さえるというのが正解だと思います。とにかく硬い部分を探す。そうすることでミュート気味な音から開放されるわけです。これはバレーなどをする時もそうで、指の腹よりも側面の方が固いわけですからすこし外に寝かせ気味になると思います。
指が届かない?そんなことはないはずだ
例えば、ギターをギタースタンドに立てかけてそのネックを握ってみて下さい。あるいは、ギターストラップをつけてギターが低くなり過ぎないようにベストな位置を見つけたらその姿勢のままネックを握ってみて下さい。ギターのネックは握れているのではありませんか?
ギターのネックが握れないと言うのはコードを押さえる時、あるいは確認のためにネックをのぞき込んでいるのが主な原因になっています。理由としてはそれだけではないかもしれませんがクラシックギターのように元々ネックが太いものであればいざ知らず、通常のアコギやエレキであれば悠々と握れてしまっているはずです。だったらギターを弾く時に指が届かないなんてことはありません。
ギターをのぞき込むことでギターが傾き、上を向いてしまう事から手首を返しきれずに指が届かないという事になることが多いわけです。それを防ぐためにはどうすれば良いでしょうか?
コードを押さえるためにギターの構え方を直す
例えばボディを弾く方の手の方にズラして銃とか槍とか長いものを構えるような格好に近いようにしてみて下さい。右手は右腰、左手は左胸の前に来るぐらいで、ギターのボティの凹みを右腰から太ももにかけてに乗せます。
コードを押さえる手の方は、あぐらをかいて座り手のひらを上に向けて膝の上に置くような角度がとても人間には自然な角度になります((本来なら手の甲が上になる方が自然ですが、ギターを弾くことが目的なので手のひらを上に向けてとしています。))。その自然な角度のままでギターのネックを握れるように、ギターに人間が合わせるのではなく、人間の方にギターの角度を合わせて下さい。すると多少ボディを傾けても手首が返るので指が届くようになるかもしれません。
むしろ左手は自由に動かせるようにどこかに固定されるような感じではいけません。ネックを握るにしても人差し指から親指までの間がネックに触れるのはありますがなるべく薬指や小指の付け根あたりがネックには触れないようにしてみて下さい。よく教本などではネックを握った時に手のひらに少し隙間があくようにとかと書いている本もあるでしょう。
我らがTommy Emmanuelおじさんを見てみて下さい。構え方の角度はこれです。コードが押さえられないという人はギターが正面に向きすぎていませんか?
親指の位置など
いままでいろいろとギターを弾いてきましたが、よくよく考えてみるとやっぱり親指なんだなとふと思ったりします。親指のポジション、これは意外にコードを押さえるにおいて重要な要素です。これはFを押さえた状態で上から撮影したものです。人差し指のバレー(セーハー)と親指の位置を見てみてください。
バレー部分に力を入れるために親指がほぼ真後ろに来ているのがわかるでしょうか?
そして人差し指が少し外に向いているのがわかってもらえるとありがたいです。人差し指が外に向いているのは指の腹部分ではなく外側付近の硬い場所で押さえようとしているからなのです。
Fなどはそれぞれのフレットに指が配置されるためにさほど困難な作業ではないですが、Bなどのコードでは人差し指と他の指が離れるためなかなか困難になります。ある教本では左手で銃を作って((人差し指、親指を伸ばして他の指を曲げる「バーンっ!」って感じ♪))、この状態から人差し指だけを上に45°上げられるように練習すると良いらしい。この練習をすることでギターを弾かずとも(人差し)指が開くようになるという事です。
そんな事をしなくても普通は開きますが、開く開かないは個人差もあるので、開かない人はやってみるのは良いことです。
例えばFを押さえる時にどこに注意をしているかを考えてみると、まずはバレーをしっかり押さえるのに注意しているように思います。その為にどうすればよいかですが、基本的にはネックを挟むために親指に力を入れています。つまり強くネックを親指で押すわけです。
握っているのですから親指に力を入れれば人差し指にも自ずと力が入ります。そして、指のどこに力を入れれば効率がよいかを探す必要も出てくると思います。各々に指の長さも違うでしょうし握力の強さも違います。その為、各々で一番良いポジション、力の入れ具合を探ってみて下さい。
無駄に力を入れると握力もなくなり疲れて長く弾くことができません。どうすれば楽に弾けるかを考えるのはとても良いことです。