スリーフィンガーというのは古いスタイルの弾き方と思っている若者もいるだろうと思います。確かに昭和の音楽はフォークソングに代表されるようにダサイ・クサイの世界が延々と歌われているわけではあるのですが、実はそんなに悪くない弾き方であることを再認識することが必要です。
ストロークでかき鳴らすというのはコードが押さえられたら誰でもできることであって、その弾き方如何では確かに上手く弾くことも可能です。しかし初中級者の場合は、やはり誰かに聞かせるために弾くにはちょっとインパクトが薄いと思うんです。
せっかく弾き語りをしてもコードを鳴らすだけでは味気がないという物。曲にもよりますが、いにしえのフォークソングは格好悪いと言う人もいるでしょう。
そこで、ビートルズなんかはどうだろうかと思うわけですが、これでもまだダサイという場合はまた何か思いつくまで待ってて下さい。
さてビートルズで「BlackBird」というのを取り上げてみたいと思います。まずはその曲から紹介。
まずは、この曲を聴いてもらってだいたいのイメージをつかんで下さい。
オカズやイントロ
ビートルズのBlackBirdを解説していく前に、もう少し演奏に役に立つような方法を考えていきたいと思います。一人で演奏する場合、突然弾き語りを始めても良いのですが、やはり前置きも欲しいところ。
イントロを全部演奏するのももちろん構わないのですが、全部演奏する必要もないのです。
それはイントロと呼べるほどのものではありませんが、きっかけとして役に立つ上にちょっとした効果があります。例えば、Cで始まる楽曲の場合G7をゆっくりと弾き下ろしてからCに入ってみるとちょっとしたきっかけになります。
もう少しうまくやるなら、ソ・ラ・シ(6弦3F・5弦開放・5弦2F)とベース音を弾いてからCを弾くという手もあります。
ソ・ラ・シの部分は色々と変化をつけることもできます。ソを少し伸ばしてからラ・シといってもよいですし、1オクターブ高いソ・ラ・シを2音同時に重ねて鳴らしてみても良いと思います。ベースをソ・ラ・シでオクターブ高い方をソ・ラ・レとしてもいいかもしれません。
このようにして少し本来のコードに入る前にきっかけを作るとなんだか弾ける人みたいに思えたりもするわけです。
BlackBirdイントロ
BlackBird/the Beatles のTAB譜全体は こちらから
で、これがBeatlesのBlackBirdのイントロで、注目すべき所は色々とあったりします。まずこの曲は変拍子であって、リズムがちょっと難しいのです。
1小節目は3/4拍子、つまりは四分音符を1小節の間に3回打つ速さになり、2小節目は4/4拍子、四分音符を1小節に4回打つ速さになります。数字でカウントするとすると123・1234となります。しかもこの曲は「all your life」部分で2/4拍子になったりもするのです。とにかくテンポが難しいわけですね。
しかしだからこそこの曲の雰囲気が出てくるわけです。むしろこれらリズムを気にせずに弾いてみても面白いだろうと思いますし、きちんと歌が歌えればリズムも合ってきたりするかもしれません。
次に注意すべき所は[FIX]、背景がブルーで囲んである1小節目の終わりのgliss部から2小節目の初めにかけて。
1小節目の終わりでは2フレット、3フレットと隣り合わせですが、グリッサンドした2小節目の初めでは10フレットと12フレットになっています。つまりグリッサンドしている途中で指の間隔を1フレット分開けなければならないのです。そのままの形で移動するのではなく移動している最中に開くと言う難問がここにあります。
こういった場合の注意点は、まず到着点を探すことから始まるだろうと思います。この場合であれば2弦12フレットです。ここに到着していれば10フレットは1フレット開けた所に自ずとあるわけですから探す必要が無く、また5弦をグリッサンドしているわけですから弦を探す必要もないわけです。
更にやりやすさを追求した場合、1小節目最後の2弦3フレットを小指、5弦2フレットを人差し指で押さえてみたりします。2弦3フレットは薬指でももちろん問題はありません。ただ12フレットまでグリッサンドした時に1フレット分指を開くことを考えるとより間隔を開けやすい小指で押さえることでやりやすさが向上することもあるのではないかと思います。このあたりはお好みで。
強く意識をする必要はありませんが、TAB譜の見にくさは2小節目にあったりします。TAB譜で慣れてしまうとこういった場合に少々困ったりするのであえてここでその意味を伝えておきます。
これは、五線上の「ソ」です。同じ音が何度か続くのに、TAB譜上では3弦の解放と5弦10フレットを弾き分けます。もしも指を開いて押さえるのが困難であったり、あるいはスリーフィンガーが得意でないと言う場合は、2弦と3弦を交互に鳴らしても良いのです。
もちろん、時として曲の雰囲気なども考えてTAB譜通りに弾くのも間違いではありませんし、それで構いません。ただやりにくい場合はやりやすい方法をあみ出すと言うか、考えるのが良い場合もあるのを知っておいて下さい。