弦を取り付ける前にひとつ注意点があります。ギターの弦は取り付けてからテンションがかかると若干伸びます。またブリッジピンで固定するような場合は完全に固定されておらず、ペグを巻き進める時に急に緩んでしまうこともあります。
このため弦を張る前に少し伸ばしてからテンションをかけていくという方法を取る人もいます。
そういった道具もあります。STRETCHAと言う道具がそれです。あったら便利でしょうがなくても特に問題はありません。使い方は商品のパッケージの背景に描いてあるようにして使います。
しかし焦るべからず。ひとまず落ち着いてブリッジピンを再度押し込みきちんと固定してからペグを巻いていく。これを忘れていると、チューニングの時に突然音が低くなってどうなった?!と焦るので覚えておくといいと思います。
あとナットのあたりの状態で急にチューニングが狂ったりということも。ナットは結構重要な部位で頻繁に音が狂うとかがある場合は、店に持っていって調整とか交換してもらうのが良いかと思います。
ある程度の価格がするようなギターはほとんど問題はありませんが、中古で購入したギターは前のオーナーがいじっている可能性もありますし、時間も経過しているので問題が出ている可能性も。
よい動画を見つけたので貼り付け。2分05秒あたりからの弦を押さえながらペグを巻く部分とか。この動画では予め弦をカットしてからペグに巻きつけているけれども、弦の終端のカットは後の方が良いと思う。
まず管理人が普段している一般的だろうと思われる(?)ギターの弦の取り付け方を説明していこうと思います。
この図は、ギターヘッドのペグを上からのぞきこんだ状態。左側が弦の端となります。もちろん右側がギターのネック・ボディ側。ペグの穴(もしくは溝)に弦を通す。
この時に弦をほどよく緩い状態で作業する事が重要で、テンションをかけたままペグを巻き続けるとチューニングの際に弦を切ってしまう可能性があるから注意してください。
一回転させるとFIG.2のような感じになると思います。このままペグを巻いていくと、弦はFIG.3のように、下に螺旋に巻かれていく(うまく螺旋にならない場合はなるように工夫して欲しい)。
おおよその目安ですがなるべく2回転以上巻きつけるようにして下さい。
1回転程度で終らせてしまうと、チューニングの際、弦を絞めたり緩めたりしている間に、もしくは弦にテンションがかかって弦がペグから外れしまうことがあるかも知れません((3、4弦などが短い場合等で抜けることがあるかもしれない。おそらくは1回転程度でも大丈夫なはずだが念のために))。
このように巻いていくと、ペグから弦が外れてしまうと言う事はなくなり、また巻き方が原因でペグの所から弦が切れるということも少なくなると思います。うまく弦が巻ければ画像fig.4完成みたいな感じに。
ペグの穴に通っている弦は何もなければ抜けてしまうが、下から押し上げる力が働けば固定されて動かなくなるという具合です。ひとまずややこしい事をしなくてもこれでOKと言うことです!(自信はないけれど)
できるだけ少ない回数で弦の取り付けを完了させる
動画下に貼った画像FIG.2[FIX]では、ペグの穴を通した弦をどのように巻くかを説明しています。FIG.1の②で指が下を向いているように、ネック側の弦を少し下に押しながら、弦を巻いていきます。
こうすることで弦の終端(Strings end側)に巻きつけている弦側が引っかかって、巻きつけた弦が上に外れることはなくなるはずです。
この「指でネック側の弦を押すという行為」は、ペグの穴を通し巻きつけた弦のアールを引っかかりにしてこれより下に弦を巻きつけるために行います。
これをせずにただ巻くだけだとアールの引っかかりよりも上に弦を巻いてしまう事もあるかもしれません。
引っ掛かりよりも上に弦を巻くと、巻きはじめのテンションがかかっていない状態では弦がペグから抜けてしまうこともあるでしょう。おそらくはペグの形状で抜けにくくなっているとは思いますが。
弦は針金みたいなものなのでペグなどに一度巻きつけると癖がついてしまいます。この癖のついた部分を何度も緩めたり巻いていると金属疲労が起こり弦が切れてしまったり、もしくは弱くなってしまう可能性があります。できるだけ少ない回数で弦の取り付けを完了しましょう。
黒背景01-02の写真はもう少し手のこんだ弦の終端の巻きつけ方。ペグの穴を通したネック側の弦の下から弦の終端を回りこませU字型を作り、これを引っかかりにペグの穴より下に螺旋を作る方法。
この方がより丁寧で、おそらくは教本等で解説しているやり方だろうと思います。弦の終端をネック側の弦の下に回りこませる際に、その回りこませる方向を間違えないようにして下さい。
02の写真、画面向かって左側がヘッドの内側((内側とは:6弦、1弦方向が外側、3弦、4弦方向が内側。))になります。つまりギターの背面に自分が立ってヘッドを上から覗きこんだ時に4~6弦側のペグを見ている事となります。1~3弦の場合ネック側の弦(弦の終端の反対)が右側に来るように巻きます((ヘッド左右に3つずつペグがついているタイプのギターの場合。たいていのギターはこちらだろう))。
もしギターのサウンドホールを自分の方に向けて壁に立てかけヘッドを正面から見て左側1列に6つペグがついているギターであればすべて02のようになりますが、特殊なペグのつけ方がしてあるギターで、右側1列に6つペグがついているタイプだと、巻き付け方が逆になるので注意が必要です。
また、図のように一度ペグの穴を通した弦の上に一周させてから、ペグの穴より下に巻いていくと言うやり方もあります。こうするとより弦の抜け等に対応できますが、弦の交換が面倒になったりする事もあると思います。
またこのような巻き方をするのには、もうひとつチューニングの狂いを軽減させる意味もあるかもしれません。詳細はわかりませんが、このようにするのも間違いではなくひとつの方法でもありますし、前述した管理人のやり方も方法のひとつと言うわけです。
そもそも弦は針金みたいなものなので、きちんと巻けば管理人がしているやり方で弦が抜けてしまう等の問題ないはずです。
おそらく、このやり方はペグの穴ではなく溝のタイプ([ペグのタイプ]画像参照)のギター用の巻き方ではないかと思います。今はあまりこのタイプを見かけませんが、ペグが溝のタイプであると上へ弦が抜けてしまうことがあります。それらを回避するために一度引っかかりより上に一周させてから下へ巻きつけていくのであるのだろうと思います。
ペグが穴のタイプのギターは管理人のやっているやり方で弦の抜けはないはずです。
順番として、チューニングを行う前にペンチ等で弦の終端を短く切ってしまうと、チューニングによる弦へのテンション増加で弦が穴から抜けたりしてしまう場合もあるかもしれません。
そのため、弦の終端をペンチで切るなどの処理はチューニングを行った後にするのが良いです。
どのやり方を選んでも正しく音が鳴っていればひとまずはそれで良いのではないかと思います。
弦を巻く方向
もう一つ弦を巻く上で重要な事は図のように弦を巻く方向をそろえると言う事だと思います。それぞれが反対に巻いてしまうとペグと弦がこすれ合うことになったり、また場合によっては巻きにくいこともあって通常は図のように巻きます。
もし使用しているギターがギターヘッド片側だけにペグがついているタイプの物なら、図の向かって左側の巻き方にします。くれぐれも、巻き方をちぐはぐにせず正しい方向で巻くようにして下さい。
変わり種でギターヘッド下側だけにペグがあるギターがあるかもしれませんが、画像のような通常の両側に3つずつペグがついてるギターの下側(画像でいうと右側)と同じ巻き方になります。
通常、巻く方向を一定にすると(ヘッド上下にペグがついているタイプのギターの場合6~4弦は左巻き、3~1弦は右巻きになると思います。
ヘッド上にペグがついているタイプのギターの場合は6~1弦すべて左巻き)にすると弦同士が干渉しあうことはありません。
再度書きますが、弦の終端(Strings
end)をどう処理するかですが、ペンチがあれば程よいところで切り落としても良いですし、弦を買ってきた時に袋にしまってあったように先を丸めておいても良いです。できるだけ弦の終端をペンチ等で落として処理してしまう方が邪魔にならなくて良いだろうと思います。
ただし、チューニングを終了してから切るようにして下さい。途中で処理をしてしまった場合、チューニングを行う際に困ったことになるかもしれません。
先に2回転以上巻くほうが…と書きましたが、たくさん巻けばそれだけ交換時に手間となります。一度使用した弦を他のギターへ再利用することはないので交換時にはある程度緩めてからペンチ等で切ってしまえばさほど手間ではありませんが、ペンチを利用しない場合はかなりの手間です。
取り付ける際はストリングワインダー等で巻けばそんなに手間ではありません。取り外す時に少し手間がかかるので、巻く回数を減らすような事もあるわけですが、大きな問題はないもののチューニングを安定させるためになるべく2回ぐらいは巻いて下さい。
どんな弦を選ぶか
弦と一言で言ってもいろいろと種類があります。その中にも太さがあり、エクストラ・ライト・ゲージからヘビィ・ゲージまで多々あります。では、どんな弦を選ぶといいのでしょうか?
その前に、どんなギターを選択したか!ここがポイントでもあります。
エレキ・ギターにはエレキ・ギターの弦、アコースティック・ギターにはアコースティック・ギターの弦と、その選んだギターによって弦の購入をまず考えます。
そしてその選んだギター用の弦の中から自分にあった弦の太さを決めていきます。もちろん必ずしもこうすべきというものでもなく、アコースティックギターにエレキギターの弦を張っても問題はありませんが、できればしばらくの間は自分の好みがわかるまでは基本通りにやってみて下さい。
通常はエレキ、アコースティック共にライト・ゲージあたりが妥当な選択だと思います。しかし、好みや指の力などを考慮してもっと細い弦や太い弦を選んでもよいわけです。
弦の太さ
例えば、12-53というような数字が書いてあったりします。実際は0.12インチ~0.53インチの弦と言うことですが、先頭の12の数字を見て小さければ細いと理解しておけばいいかと思います。
12-53とかはだいたいライトゲージあたりの数値です。メーカーや素材によって前後することもあるかと思いますが、一度購入して使えばそれを基準に自分の好みを探せます。
数字で判断しても良いですが、だいたいライトゲージとかとも書いてありますから「アコギのライトゲージ下さい」で店の人には通じます。「どこのメーカーにしますか?」と聞かれたら「1000円ぐらいので良いのありますか?」と聞いていくつか提示してもらい、ついでに説明を受けて下さい。
なんなら一番安いのはどれで、その次に安いのはどれかを聞いて、負担にならない程度のものを選んで下さい。人に聞かせるためではなく練習するための弦をまず購入するわけですから何でも良いのです。
弦の素材
上記Martinの画像[FIX]で、80/20 BRONZE とありますが、これは銅80%、錫20%のブロンズ弦と言うような意味です。他にもフォスファーブロンズと言う弦もあります。フォスファーブロンズとはリン青銅の事を言います。バネ性・強度などの性能が高く一般的なブロンズ弦よりもきらびやかな音になります。少しお高い弦です。
コーティング弦というのもあります。コーティングされているので弦の凹凸が小さくキュッキュッというようなフィンガリングノイズが出にくいと言うのが特徴と思います。他の弦に比べて錆びにくくお高い弦です。
ギターを使用した後にきちんと拭いて、フィンガーイーズのような潤滑防錆剤のようなものを吹けば錆びないので、この弦を選ぶ必要がある場合は少ないと思います。
ニッケル弦とかスチール弦とか他にも色々ありますが、だいたいアコギではブロンズ弦が使われるようにも思います。
購入する際の注意点
ギターによってはエクストラライトゲージ指定のものもあります。ネックに塗装が施されていないようなモデルや薄い塗装、またはボディとの接合部分の強度や木材の強度など色々と考慮してやや細めの弦を張るような指定になっているわけです。
弦が細くなればかかる張力も下がるのでギターへの負担は下がるわけですが、本来通常のギターはライトゲージぐらいを張ることが予め想定されて作られているのでほとんどはライトゲージで問題ありません。
ショップでは弦のバラ売りをしていることがありますが、チューニングを正しく行うために同じ種類の弦をできるなら1set、つまり1~6弦のセットになっているものを購入するべきです。メーカーは様々ありますが、どのメーカーのものを選んでもよく、1セットで購入する事が重要なのです。
そしてできるなら何かあった時の予備のために初回は2set買っておきたいわけです。それはチューニングの際に弦を切ってしまう事があるかも知れませんし、ギターを倒してしまって切れてしまうこともあるかもしれないからです。
そう言った事態が昼間に起こったなら買いにも行けるわけですが、店が閉まった後だとどうしようもありません。そういう時の予備の為にもう1set買っておくことで、すぐに新しい弦に張り替えられ、その後、定期的に余裕を持って弦を買うようにしていけば常に予備がある状態を維持できる感じになります。
細い弦ほど張力(弦が張ってある強さ)が弱くなるため、チョーキングなどのテクニックが容易に行えるようになります。しかし細いだけあって強く弾いたりチョーキングをやりすぎると切れてしまう事もあるわけです。
より大きな音で迫力のある弾き方をしたければより太い弦を選択する事になるだろうと思います。
特別、力を入れているわけでもないのにピックの当て方が下手な間は、無駄に力強く弦を弾いてしまいがちなこともあって、たいていの場合はピックが負けてしまうわけですがそれでも弦を切ってしまう事もなくはないのです。
よほどでない限りそうそう切れるものではないですが、弦の交換を忘れて放置して錆びついていたりした場合などは切れることも考えられます。
ちなみに長渕剛はいつもヘビーゲージらしい(笑)[長渕剛「ぼくのギターにはいつもヘビーゲージ」より]