PC間あるいはスマホとのファイル転送
これまではLinuxとWindows間のファイル転送はSambaなどを利用して、設定ファイルはこうしましょう、ネットワークの設定はこうですみたいなのがファイル転送のチュートリアルとしてありましたが、Warpinatorを導入すれば極簡単にファイル転送が可能になります。
ウチのしょっぱいテザリング環境(UQモバイル低速設定)でも2.5MB/sは出てます。高速なネット回線ならもっと高速になるでしょう。
これまではUSB3.0を介してファイルのやり取りをしていたのですが、最初は書き込みも高速なもののしばらくすると次第に低速になって最終的には転送速度が1MB/sを切る自体になりまして、それならLANで送った方が速いのでは?と思った次第です。 注) 大きなファイルはUSBの方が良いかもしれません。単純に利用しているUSBがしょっぱいだけの可能性もあります。
Warpinatorは2020年ぐらいには出ていたんで今となっては古い情報ですが、Sambaを設定していて色々面倒だったので書き残す限りです。
ダウンロード
Linux版 | OCTOPIあるいはPamacでWarpinatorを検索 ターミナルからは sudo pacman -S warpinator あるいはFlatpak等 |
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Windows版 | Winpinatorで検索してダウンロード |
iOS版 | Githubから |
Android版 | GooglePlayから非公式のものですがダウンロードできます。 |
iPhoneやらMacはうちにそれらの環境がないので確認はできませんので別途検索等で確認してみてください。
使い方
Windows11でのタスクバーにピンどめしてからの起動について
Windows11で例えばタスクバーにピンどめした場合に、Winpnatorを起動させるためには右クリックから「管理者として実行」の管理者権限が必要になります。
例えば、タスクバーにピンどめしてあるとして、右クリックからプロパティを開きます。
Winpinatorプロパティ >> 互換性 >> 設定欄 >> 管理者としてプログラムを実行
にチェックを入れておけば、起動時に管理者で起動しますかというダイアログが出ますので「はい」で起動できるようになりますが、管理者権限がない場合はエラーになります。つまりタスクバーにあるアイコンをクリックしただけではエラーという感じです((環境によるかもしれません))。
ファイル転送の方法
同じネットワーク内であれば、アプリを起動して相手先を選んで「ファイルを転送」ボタンを押して、ファイルを選んで、受け取る側で「accept(許可・受け入れ)」をすればファイル転送ができます。
アプリの設定
グループコードの設定
設定的には、同じネットワークのグループコードになっていればOKでこれはいわゆるいつもの「WORKGROUP」と言ういつものやつです。デフォルトの値はWarpinatorになっていましたが、ここをWORKGROUPに書き換えて設定するだけ。
注) 同じグループコードになってさえすれば良いのでWORKGROUP以外の任意のコードでもよいかと思います。
メニュー >> 接続 >> グループコード > 入力・設定
保存フォルダの設定
ファイルが送られてきてどこに保存するかを設定します。システムが容量の少ないSSDとかだと大きなファイルを送ったりしたらすぐに一杯になると思うんで、別途HDDを導入などしてフォルダを選択するだけです。
確かデフォルトは記憶では、ユーザーフォルダ/Documents/Warpinatorだったかと思います。この設定をせずにファイルを送った場合、どこに保存された?ってなると思うので念のために。
メニュー >> 一般 >> 受信ファイルの場所
設定的にはグループコードとファイルの保存場所のこの2つだけです。転送できない場合はファイヤーウォールに許可を。
Warpinatorについて
WarpinatorはLinuxのディストリビューションの一つであるLinuxMintがバージョン20あたりで実装したアプリケーションです。
zeroconfネットワーク、mDNSプロトコルを使用して即座にファイル転送ができるように作られています。それまでの煩わしい設定や一般的にはネットワークの知識が乏しくても簡単にPC間のファイル転送できるのが便利です。
一部では勝手に設定ファイルを作ったりするzeroconfなアプリの使用を避けると言う人もいますがまぁ便利なので、Sambaのような設定を自分で書くのを良しとするか、アプリ任せのが楽だしを良しとするかは各々の裁量で。
例えばウチで使っているArcoLinux Gnomeでは、ファイル(旧Nautilus)にそれらの仕組みはすでにあって、共有などはネットワークのアドレスがわかれば可能です。しかし共有の方法やIPアドレスを調べる方法((例えばターミナルやPowerShellからipconfigコマンドを入力))を知らないと設定できなかったりします。 これらはWarpinatorを利用することでそういう別途調べてから、あるいは設定してから使える手間を大幅に軽減してくれています。
NASなどを使うまでもないPC間のファイルの移動などにはとても便利に使うことができます。
Youtubeを見てみると、Steam DeckにもWarpinatorでファイル転送できるみたいです。
Steam Deck: Transfer Files from PC using "Warpinator"